このテキストは、Web開発の経験があるけれど、RubyとRailsにはまだ慣れていない方々に向けて作成されたものです。 SmartHRでは、現在多くのプロダクトのバックエンドがRailsによって書かれています。すなわち、RailsのスキルはSmartHRのエンジニアに必須です! しかし、Railsを深く理解するのはとても難しいです。なぜなら、Railsを理解するためにはまずRubyを理解する必要があるからです。 どの言語、どのWAFでも同じですが、そのWAFを使いこなすためには言語の特性を知り、WAFの動きを頭の中で納得することが重要です。
前半パートでは、まずRailsを理解するためのRuby講座があります。そして後半パートでは、現場Railsを題材にしてRailsを理解していきます。 このテキストを終える頃には、あなたはSmartHRのRails戦士です! Yay!
- Ruby 2.7 以上(2.6などでも動くはずですが、特別な理由がない限り最新のバージョンを利用しましょう)
- Bundlerは2系のものを準備してください(Ruby 2.7であれば標準でBundler 2系がインストールされています)
- Rails 6.0 以上
新しいRubyが一番良いRubyなのでrbenvを使って新しいRubyを用意しておきましょう
rbenv
をインストールします
- https://github.com/rbenv/rbenv#installation
- インストール方法に依らず、.bash_profileなどに設定を追加する必要があります(https://github.com/rbenv/rbenv#basic-github-checkout の
3.
の手順です) rbenv init
を実行すると、どのファイルに何を記載するか出力してくれるので、そこを参考にしてeval "$(rbenv init -)"
を記載しましょう
- インストール方法に依らず、.bash_profileなどに設定を追加する必要があります(https://github.com/rbenv/rbenv#basic-github-checkout の
- brew以外の方法でrbenvをインストールした場合はruby-buildのインストールも行う必要があります
- ProTip
- 手動でrbenvをインストールしている勢は
rbenv-update
も導入しておくと、rbenv update
でインストールリストの更新ができて便利だよ - https://github.com/rkh/rbenv-update
- 手動でrbenvをインストールしている勢は
インストールできるバージョンを確認しましょう。
% rbenv install -l
2.5.8
2.6.6
2.7.1
jruby-9.2.12.0
maglev-1.0.0
mruby-2.1.1
rbx-5.0
truffleruby-20.1.0
Only latest stable releases for each Ruby implementation are shown.
Use 'rbenv install --list-all' to show all local versions.
rbenvでは、いわゆる普段使うRuby
(区別するためにCRubyやMRIなどと呼ばれることもあるよ)以外にJRubyやmrubyなどもインストールできます。
ここでは普通のRubyを使うため、プリフィックスに何も記載されていないものが対象のRubyです。
今回は最新バージョンである2.7.1を利用します。
% rbenv install 2.7.1
ビルドが走るのでコーヒーでも入れてのんびり待ちます。
終わったらインストールしたRubyをデフォルトで使用するRubyに指定します。
(この瞬間だけ任意のバージョンを利用したい!というときはglobal
の代わりにshell
を使うと良いです)
% rbenv global 2.7.1
rbenv versionsを使うと現在のRubyのインストール・使用状況を確認できます。今回は2.7.1を指定したので、2.7.1に*
がついていれば大成功です。
(作業ディレクトリに.ruby-version
などがあるとそちらを優先するため、思った通りのバージョンにならない場合はそちらも確認しましょう)
% rbenv versions
system
2.5.7
2.6.6
* 2.7.1 (set by /Users/***/.rbenv/version)
最後に、rubyコマンドでも正しいバージョンが利用されているか確認しましょう。
% ruby -v
ruby 2.7.1p83 (2020-03-31 revision a0c7c23c9c) [x86_64-darwin19]
Railsを利用するためには、Railsだけでなくnodeなども必要になるためそれらのインストールも必要です。
インストールしていない人向けです。
https://github.com/nodenv/nodenv#homebrew-on-macos
% brew install nodenv
nodenvがインストールできたら~/.zshrcなどに設定を追記します。
eval "$(nodenv init -)"
export PATH=$HOME/.nodenv/bin:$PATH
その後、ターミナルの再起動などを行い、以下のコマンドでnodeをインストールします。nodeに関してはバージョンの指定はありません。ここではRailsが利用する最低バージョンである10系を指定しますが、12系などでも差し支えはありません。
% nodenv install 10.21.0
% nodenv global 10.21.0
% node -v
v10.21.0
続いてyarnのインストールを行います。こちらもバージョンに関して厳密は指定はないので、普通にyarnが動く状態になっていれば良いです。
https://classic.yarnpkg.com/ja/docs/install#mac-stable
% brew install yarn --ignore-dependencies
ActiveStorageなどを利用する場合に必要です。 必要になるときにインストールするでも構いません。
% brew install imagemagick
次のコマンドでrailsをインストールしておきます。
% gem i rails --no-doc
Fetching concurrent-ruby-1.1.6.gem
:
Successfully installed rails-6.0.3.2
40 gems installed
% rails -v
Rails 6.0.3.2
書籍URL : https://book.mynavi.jp/ec/products/detail/id=93905
微妙にバージョンが低いため、別途準備します
Ruby 2.5.1を利用しているので、2.5.1を準備します。 また、Ruby 2.5系ではBundlerが用意されていないため、Bundlerのインストールも行います。
% rbenv install 2.5.1
% rbenv shell 2.5.1
% gem install bundler -v "~> 1.0" --no-doc # bundler 1系をインストールする
現場Railsで利用するRailsのバージョンに合わせてるため、以下のようにバージョンを指定してRailsをインストールします(_version_
とすることで、任意のバージョンを切り替えることができます)。
% rbenv shell 2.5.1
% gem i rails -v 5.2.1 --no-doc
% rails _5.2.1_ -v
Rails 5.2.1
# rails newするときも `rails _5.2.1_ new sample` などとします
PostgreSQLが必要なのでインストールしておきます(起動などはしなくてOK)。PostgreSQL自体は次項のDockerを用いますが、gemライブラリのインストールで必要になるため、PostgreSQL自体をインストールだけ実施しておく必要があります。
% brew install postgresql
% postgres -V
postgres (PostgreSQL) 12.2
以下を参考にDockerをインストールしてください https://hub.docker.com/editions/community/docker-ce-desktop-mac/
最終的に以下のコマンドが利用可能になればOKです
- docker
- docker-compose
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