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MBUS Module of AquesTalk pico LSI for M5Stack

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PCB-MBUS-AquesTalk-pico-LSI

M5Stack用 AquesTalk pico LSIモジュール基板

M-BUS Module of AquesTalk pico LSI for M5Stack

1. 概要

市販の音声合成専用LSI「AquesTalk pico LSI」(別売)をM-BUSモジュールとしてM5Stackに取り付けるための半完成基板です。
AquesTalk pico LSIの詳細は、データシートを参照ください。
Data Sheet: 音声合成 LSI 「AquesTalk pico LSI」ATP3011
Data Sheet: 音声合成 LSI 「AquesTalk pico LSI」ATP3012

基板V04の変更点

2022年10月末から基板V04を提供しています。詳細は、スピーカーの接続の項を参照ください。

  • ハンダジャンパJP8, JP9を追加しました。
  • ランドJ5を追加しました。

委託販売

(スイッチサイエンス扱い)M5Stack用 AquesTalk pico LSI モジュール基板

動作例

(YouTube)"AquesTalk pico LSI" speaks date and time
(YouTube)M-Bus Module of AquesTalk pico LSI drives the built-in speaker of M5Stack
(YouTube)M-Bus Module of AquesTalk pico LSI for M5Stack
(YouTube)M-Bus Module of AquesTalk pico LSI for M5Stack on Core2

組み立て例

組み立てにはハンダ付けが必要です。

左側: ATP3011を搭載、音声アナログ信号をGPIO35に入力するためJP5をショート
右側: ATP3012を搭載、音声アナログ信号をGPIO35に入力するためJP6をショート

写真右: M5Stack 取り付け例、J4に外部スピーカを接続

1.1 特徴

  • AquesTalk pico LSI(28ピンDIPタイプ)1個を搭載できます。
  • ATP3011, ATP3012の両方に対応しています。
  • パワーアンプ(LM4871)を内蔵し、スピーカーを直接駆動できます。
  • AquestTalk pico LSIを3.3Vで動作させ、M-BUSに直結できます。
  • プロトモジュールのモールド(別売)を流用し、M5Stackに取り付けできます。
  • スピーカー以外のケーブル接続が不要です。
  • DIP スイッチで動作モード・通信モードを設定できます。
  • インタフェースをI2C, UART, SPIから選べます。
  • AquesTalk pico LSIの音声出力をM-BUSから取り込めます。
  • M5StackのリセットでAquesTalk pico LSIをリセットします。
  • スタンドアロンモードのためのランドがあります。

DIP: Dual In-line Package
I2C: Inte-Integrated Circuit
UART: Universal Asynchronous Receiver Transmitter
SPI: Serial Peripheral Interface

1.2 商品内容

※ AquesTalk pico LSIは付属しません。
※ プロトモジュールのモールドは付属しません。
※ スピーカーは付属しません。

商品写真

写真左: 内容物(基板V4)、写真右: 基板V4裏面

1.3 別途必要なもの

2. モジュール基板の組み立て

2.1 AquesTalk pico LSI の取り付け

別売のAquestTalk pico LSI(28ピンDIPタイプ)1個を取り付けます。ATP3011とATP3012とでは挿入する穴が異なります。基板上のシルク印刷に従ってピンを挿入しハンダ付けします。モジュール基板裏面から飛び出しているピンを短く切ってください。

左: ATP3011, 右: ATP3012

ICソケットは使用できません

ICソケットを使用すると、プロトモジュールのモールドには収まらなくなります。収まらなくなることを承知の上で1列タイプのICソケットを使用するとATP3011とATP3012を差し換えることができます。モジュール基板裏面からのピンの飛び出しの対処も大変になります。

2.2 モールドの取り付け

プロトモジュールのモールドおよびネジ4本(別売)を流用して、M5StackのM-BUSモジュールに仕立てることができます。モールドを基板に取り付ける前に、ボリュームやスピーカー出力コネクタの部分をモールドから切り取ります。

モールドの入手先(スイッチサイエンス扱い)

2.3 スピーカーの接続

  • 付属のケーブルでJ4とスピーカー(付属せず)を接続します。GNDには接続しないでください。
  • (基板V4)J5にスピーカーを接続することができます。GNDには接続しないでください。
  • (基板V4)M5Stack(Core1)の内蔵スピーカーを使用できます。ATP3011の場合はJP8を、ATP3012の場合はJP9をショートしてください。M5Stack本体からGPIO25を使用しないでください。Core2は内蔵スピーカーの回路構成が異なるため、この方法は使えません。

左側: ATP3011を搭載、GPIO25, 35に接続するためJP8, JP5をショート(基板V4)
右側: ATP3012を搭載、GPIO35に接続するためJP6をショート、J5にスピーカを接続(基板V4)

参考:写真のスピーカーは以下を両面テープで固定しています。ATP3012の場合かろうじて収まります。上に重ねるモジュールやボトムによっては収まりません。
(秋月電子通商扱い)
マイクロスピーカー 赤/黒リード付 8Ω
マイクロスピーカー 青/白リード付 8Ω

M5Stackの内蔵スピーカーについて

M-BUSのGPIO25は、M5Stack内部のオーディオアンプを通して内蔵スピーカーに繋がっています。AquesTalk pico LSIからの音声出力をGPIO25に入力すれば、内蔵スピーカーから音声を出すことができます。ボリューム(VR)の出力を用いることで音量調節が可能です。以下の写真は、ATP3011を載せたモジュールにおいてGPIO25とボリューム出力を導線で接続した例です。ATP3012の場合は、ボリューム出力は1つ左側のピンです。基板V4のJP8, JP9はこれらの導線を埋め込んだものです。M5Stack自身がGPIO25を使わないことが前提です。Core2は内蔵スピーカーの回路構成が異なるため、この方法は使えません。

VR: Variable Resistor

2.4 その他の端子

  • J2は、ICSPです。コネクタ等は実装していません。使用にはピンヘッダをハンダ付けするなどの処置が必要です。ICSPのVCCはAquesTalk pico LSIの電源端子に繋がっているほか、M-BUSの3.3Vにも繋がっています。ICSPは、モジュール基板をM5Stackから切り離し、単体にして接続してください。
    ICSP: In Circuit Serial Programming

  • J3は、スタンドアロンモードで使用するPC0-3およびGNDの端子です。コネクタ等は実装していません。使用には信号ケーブルを直接ハンダ付けするなどの処置が必要です。

スタンドアロン接続例

M5Stack用 AquesTalk pico LSIモジュールをM-Busエクステンションに載せ、ダイオードマトリクススイッチ16基板を接続しています。M5Stackの電源とリセットを使用しています。
(スイッチサイエンス扱い)M-Busエクステンション基板キット
(スイッチサイエンス扱い)ダイオードマトリクススイッチ16基板

3. モジュールの設定

3.1 DIPスイッチによる動作モード・通信モードの設定

動作モードおよび使用するインタフェース(通信モード)に合わせて、モジュール基板上のDIPスイッチを設定します。設定にはピンセットなどが必要です。おすすめはI2C接続です。出荷時の設定は、セーフモード・I2C接続です。DIPスイッチの設定はリセット時に反映されます。AquesTalk pico LSIのリセットはM5Stackのリセットに繋がっています。

1 2 3 4 動作モード 通信モード 備考
OFF OFF OFF ON コマンド入力モード I2C I2CアドレスはEEPROMに設定した値(初期値0x2E)
OFF ON OFF ON セーフモード I2C I2Cアドレスは強制的に0x2E
OFF OFF OFF OFF コマンド入力モード UART 設定されたスピードで動作 (*1)
OFF ON OFF OFF セーフモード UART 強制的に9600bpsで動作
OFF - ON OFF - SPI mode 3 -
OFF - ON ON - SPI mode 0 サンプルプログラムはSPI mode 0で動作
ON OFF - - スタンドアロンモード - PC0-3の信号入力によりプリセットメッセージを選択して再生
ON ON - - デモモード - プリセットメッセージを順番に自動再生

※ 1, 2, 3, 4は、DIPスイッチの番号。DIPスイッチはON=GNDのため、ON=0, OFF=1です。
(*1) ATP3011の場合、SLEEP解除後の'?'送信で自動設定します。ATP3012の場合EEPROMに設定します。

3.2 ハンダジャンパによる信号の接続

モジュール基板裏面のジャンパJP1-JP9をハンダで短絡(クローズ)することにより、GPIOとAquesTalk pico LSIの信号ピンを接続できます。

ジャンパ GPIO(Core1) GPIO(Core2) AquesTalk pico LSI 出荷時
JP1 16 13 UART-TX オープン
JP2 19 38 SPI-MISO オープン
JP3 5 33 SPI-SS オープン
JP4 13 19 SLEEP オープン
JP5 35 35 Analog Out of ATP3011 オープン
JP6 35 35 Analog Out of ATP3012 オープン
JP7 GND GND Shut Down of Power Amplifier クローズ
JP8 25 25 Analog VR Out of ATP3011 オープン
JP9 25 25 Analog VR Out of ATP3012 オープン

JP1, JP2, JP3: インタフェース信号

使用するインタフェースに合わせてJP1, JP2, JP3をハンダで短絡(クローズ)します。I2Cの場合はJP1, JP2, JP3を全てオープンのままで使用できます。他の用途に影響がなければJP1, JP2, JP3を短絡(クローズ)することで全てのインタフェースを使用可能です。出荷時はオープンです。

インタフェース JP1 JP2 JP3 AquestTalk pico LSIピン=GPIO(Core1) AquestTalk pico LSIピン=GPIO(Core1)
I2C - - - SDA=21, SCL=22 SDA=21, SCL=22
UART クローズ - - TX=16, RX=17 TX=13, RX=14
SPI - クローズ クローズ SCK=18, MISO=19, MOSI=23, SS = 5 SCK=18, MISO=38, MOSI=23, SS = 33

SDA: Serial DAta
SCL: Serial CLock
RX: Receive
TX: Transmit
MISO: Master In Slave Out
MOSI: Master Out Slave In
SCK: Serial ClocK
SS: Slave Select

JP4: SLEEP 信号

AquesTalk pico LSIのSLEEPピンをGPIO13(Core2ではGPIO19)に接続できます。SLEEP=LowでAquesTalk pico LSIがスリープ状態になります。ATP3011のUART接続において9600bpsより速い速度が必要な場合、「セーフモード」ではなく「コマンド入力モード」に設定し、速度設定のためにSLEEPを使用します。出荷時はオープンです。

JP5, JP6: 音声信号の取り込み

AquesTalk pico LSIの音声出力をGPIO35経由でM5Stackに取り込むことができます。ATP3011の場合はJP5を、ATP3012の場合はJP6をハンダで短絡(クローズ)します。出荷時はオープンです。

JP7: パワーアンプのシャットダウン

JP7がクローズ(短絡)の場合、パワーアンプのシャットダウン(SD: Shut Down)信号をGNDに接続しパワーアンプを常に動作状態とします。JP7のハンダを取り除く(オープン)にすると、AquesTalk pico LSIのPLAY信号(負極性)がシャットダウン信号となり、パワーアンプの消費電力を減らすことができます。この設定では音声再生の前後でノイズが発生します。出荷時はクローズ(短絡)です。

JP8, JP9(基板V4): M5Stack(Core1)の内蔵スピーカーへの接続

AquesTalk pico LSIの音声出力をボリューム調節後にGPIO25経由でM5Stack内蔵アンプ・スピーカーに接続することができます。ATP3011の場合はJP8を、ATP3012の場合はJP9をハンダで短絡(クローズ)します。出荷時はオープンです。

4. サンプルプログラム

AquesTalk pico LSIをM5Stackに接続し、I2C(Wire), UART(Serial), SPIで動作させるプログラムです。デモの内容は同じです。Arduino-IDE環境で使用します。モジュール基板の設定を予め使用するインタフェースに合わせておく必要があります。

BF-034_Wireフォルダ

AqeusTalk pico LSIをI2Cで動作させるサンプルプログラムです。

BF-034_Serialフォルダ

AqeusTalk pico LSIをUARTで動作させるサンプルプログラムです。

BF-034_Spiフォルダ

AqeusTalk pico LSIをSPIで動作させるサンプルプログラムです。

BF-034_Core2_Wireフォルダ

Core2にモジュールを装着して、AqeusTalk pico LSIをI2Cで動作させるサンプルプログラムです。M5Stack Core1との違いは以下です

  • includeするヘッダーファイル
  • WireのGPIOピン番号、SleepのGPIOピン番号

4.1 ボタン操作 .. loop()

ボタンを押すと、ソースコードのpreset_msgを発声します。初期値はpreset_msg[0]です。

M5 ボタン 停止中 発声中
M5Stack A 1つ前のpreset_msgを発声 発声を中断して1つ前のpreset_msgを発声
M5Stack B 現在のpreset_msgを発声 発声を中断して停止
M5Stack C 1つ後のpreset_msgから連続して発声 発声を中断して1つ後のpreset_msgから連続して発生

4.2 setup()

  • SLEEP ピンをHighにする(デフォルト: 実行する)
    JP4をクローズ(短絡)すると、GPIO13(Core2ではGPIO19)とAquesTalk pico LSIのSLEEPピンとが接続します。SLEEPをHIGHにしてSLEEPでない状態にします。

  • UARTスピードを設定(ATP3011が対象。UARTのみ。デフォルト: 実行しない)
    AquesTalk pico LSI (ATP3011) のUARTスピードを設定します。GPIO13(Core2ではGPIO19)がAquesTalk pico LSIのSLEEPピンと接続している必要があります。

  • UARTスピードを書き換え(ATP3012が対象。UARTのみ。デフォルト: 実行しない)
    AquesTalk pico LSI (ATP3012) のUARTスピードを書き換えます。

  • I2Cアドレスを書き換え(I2Cのみ。デフォルト: 実行しない)
    AquesTalk pico LSIのI2Cアドレスを書き換えます。

  • プリセットメッセージを書き込む(デフォルト: 実行しない)
    AquesTalk pico LSIにプリセットメッセージとして、ソースコード内のpreset_msgデータを書き込みます。時間がかかります。

  • EEPROMデータをダンプ(デフォルト: 実行しない)
    AquesTalk pico LSIのEEPROMデータをシリアルモニタに表示します。時間がかかります。

  • AquesTalk pico LSIのバージョンをシリアルモニタに表示

  • チャイムJを発声

  • チャイムKを発声

5. ライブラリ

AquesTalk pico LSIを使用するためのライブラリです。

5.1 BF_AquesTalkPico.h

I2C, UART, SPI共通の基本クラスです。接続するインタフェースに依ってI2C(Wire), UART(Serial), SPIのいずれかの派生クラスを使用する必要があります。

(1) virtual int Send(const char* msg) = 0

AquesTalk pico LSIに文字列msgを送信します。送信の様子をシリアルモニタに出力します。純粋仮想関数として定義し、使用するインタフェースに合わせて派生クラスで実装します。

(2) virtual size_t Recv(char* res, size_t res_size) = 0

AquesTalk pico LSIから文字列を受信します。受信完了は、'>'または'*'で判断します。純粋仮想関数として定義し、使用するインタフェースに合わせて派生クラスで実装します。

(3) virtual bool Busy() = 0

発声中などAquesTalk pico LSIが処理中の場合trueを応答します。falseの場合発声が終了したと判断できます。純粋仮想関数として定義し、使用するインタフェースに合わせて派生クラスで実装します。I2C, SPIではおのずとポーリングができますが、UARTではSend()による明示的なポーリングが必要です。

(4) int ShowRes(int res_length_to_show = 1)

AquesTalk pico LSIからの応答をシリアルモニタに出力します。res_length_to_showに2を渡すと、応答が1文字以下の場合にシリアルモニタへの出力を抑止できます。I2C、SPIのポーリングによる応答が正常('>', 1文字)の場合のシリアルモニタへの出力を省略できます。

(5) int DumpEeprom()

AquesTalk pico LSIのEEPROM (アドレス0x000-0x3FF) の値をシリアルモニタに出力します。

(6) int WriteEeprom(int address, int data)

AquesTalk pico LSIのEEPROMにデータを書き込みます。

(7) int WritePresetMsg(const char* msg[], int num_of_msg)

AquesTalk pico LSIのEEPROMにプリセットメッセージを書き込みます。書き込みの様子をシリアルモニタに出力します。

(8) int WriteSpeed(int speed)

発話速度をEEPROMに設定します。50~300を設定できます。デフォルトは100です。

(9) int WritePause(int pause)

文末ポーズの長さをEEPROMに設定します。256~65535を設定できます。65535を設定すると自動になります。デフォルトは65535です。

(10) int WriteSerialSpeed(int serial_speed)

AquesTalk pico LSI (ATP3012) のシリアル通信速度を書き換えます。デフォルトは9600です。

(11) int WriteI2cAddress(int i2c_address)

AquesTalk pico LSIのI2Cアドレスを書き換えます。デフォルトは0x2Eです。

5.2 BF_AquesTalkPicoWire.h

AquesTalk pico LSIとI2Cでインタフェースする派生クラスです。

int Begin(TwoWire &wire, int i2c_address = 0x2e);

AquesTalk pico LSIを接続するI2CとI2Cアドレスを指定します。

5.3 BF_AquesTalkPicoSerial.h

AquesTalk pico LSIとUARTでインタフェースする派生クラスです。

int Begin(Stream &stream);

AquesTalk pico LSIを接続するUARTを指定します。

5.4 BF_AquesTalkPicoSpi.h

AquesTalk pico LSIとSPIでインタフェースする派生クラスです。

int Begin(SPIClass &spi, int ss);

AquesTalk pico LSIを接続するSPIとSSとして使用するGPIOを指定します。

6. BF-034_Clockフォルダ

M5StackのLCDに日付・時刻を表示する置時計のデモです。

  • リセット後はsetupの状況を表示します。setupが完了しボタンCを押すと時計表示になります。
  • ボタンBで日付を音声で読み上げます。ボタンCで時刻を音声で読み上げます。

ご注意

WiFi動作中に発声すると電圧低下を検出してリブートすることがあります。

参考情報

7. 参考

About

MBUS Module of AquesTalk pico LSI for M5Stack

License:Creative Commons Zero v1.0 Universal


Languages

Language:C++ 98.7%Language:C 1.3%